「峰 万里恵のページ」 付録(ふろく)


うたを もっと 感じるために

高場 将美


はじめに

 わたしは、もうたいへん長いあいだ、
スペイン語とポルトガル語の国々の音楽にかかわる仕事をしてきました。
でも、ここでそんな話をしようとしているわけではありません。
かいつまんでいうと、数年前に 峰 万里恵 さんがうたうのを聴いて、
歌詞のことばを、詩のひびきと心を、
これほど伝えてくれる人がいることに驚きました。
「日本人にしては」なんてことは、わたしは言いません。本物は本物です。

いくつか偶然が重なって、わたしは峰さんのギター伴奏をするようになり、
それはいっしょに歌を研究することと同じです。
そこでわたしは、いままで学んできたより
もっと大きなことに気がつきはじめました。
それが何かは自分でもわかりません。
たぶん言霊(ことだま)の神秘みたいなことでしょう。
わからないけれど感じるのです。

峰さんのレパートリー選びは、すべて彼女の直感でやっています。
聴いて、詩が美しいと感じた曲を、歌いたくなるようです。
はじめは、歌詞の内容とか、ことばの意味とか、深く考えていません。
でも、峰さんの耳に美しくひびいた詩は、内容もとてもいいのです。

これから書くことは、わたしの勝手な雑談で、
峰 万里恵 さんのうたとは、まったく無関係です。
彼女は純粋に詩をうたっているだけで、詩が直接語っている以外の
曲の背景とかその周辺のことは、ほとんど、考えていません。
考えないで、感じているわけです。理屈はいらないんです。

この付録のページでは、峰 万里恵 さんのうたと
関係のある(ような、ないような)
スペイン語とポルトガル語の歌について、
あるいは、ことばそのものにまつわる
いろんな話題を、気楽に書いていこうと思います。
これを読んで「うたを もっと 感じる」ようになった
と言っていただければうれしいですが、
そんなタイトルを付けたわりには、あんまり自信はありません。
とにかく、うたの魅力のどこかにつながっている
小さな ことばたち がいることを感じてください。

では、思いつくままに書いていきますので、どうぞよろしく。

*記事に順序はありません。どこからでもお読みください。
後になって情報を修正したり、
書き加えたりするかもしれません。ときどきまた読みにおいでください。

© 2007 Masami Takaba


目次 タイトルのアイウエオ順。カッコ内はおもな関係ジャンルです。
帰ってくるタンゴ(タンゴ)
カタカナ表記(全ジャンル)
カルロス・ガルデールのメロディ(タンゴ)
ガルデールが映画でうたった曲(タンゴ、スペイン、フラメンコ)
瓦屋根の古い大きな家(アルゼンチンのワルツ、タンゴ)
サウダード/サウダーヂ(ファド、ブラジル)
スペイン語、ポルトガル語というけれど……(全ジャンル)
ダメ男のサンバ(ブラジル)
タンゴの街(タンゴ)
男性に捧げるワルツ(ペルーのワルツ)
発音について――アイウエオ(全ジャンル)
発音について――BCDFG
発音について――HJKLM
発音について――NPQRS
発音について――TVWXYZ
花びら(ファド、タンゴ)
ヒターノのファンダンゴ(フラメンコ)
ファドとモウラリーア(ファド)
フリギア旋法――ファドとフラメンコ(ファド、フラメンコ)
ムーチョ・コラソーン 〜ありあまる心〜 <上>(メキシコ、ボレーロ、女性作詞作曲家)
ムーチョ・コラソーン 〜ありあまる心〜 <中>
ムーチョ・コラソーン 〜ありあまる心〜 <下>
メキシコ男の愛と涙(メキシコ、ランチェーラ)
レキント・ギター(メキシコ、ボレーロ、各地のギター)


峰 万里恵のページ 入り口
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当方への通知もなさらなくてけっこうです。ただし引用・転載の場合は、
簡単に出典(たとえば筆者名=高場)を記していただけたらうれしいです。
よろしくお願いいたします。(高場 将美)。

高場 将美の本――本屋さんで見てみてください。よろしくお願いします!
 いずれも書下ろしです。この付録の記事とは、まったく(あるいは、ほとんどまったく)ダブっていません。

LatinZatsugaku知ってるようで知らない ラテン音楽おもしろ雑学事典

●発行:ヤマハ ミュージック メディア (2007年11月発行)
●定価:1600円+税

★第1章:キューバの音楽〜ラテン音楽の発祥地 ★第2章:メキシコの音楽〜南米とヨーロッパのメスティーソ ★第3章:アルゼンチンの音楽(タンゴ)〜南米の港町から生まれた都市音楽 ★第4章:ブラジルの音楽〜情熱とサウダージのひびき ★第5章:カリブ海の音楽〜キューバとともにラテン音楽の中心 ★第6章:南米大陸の音楽〜大陸を貫くラテンの魂 ★第7章:世界のラテン音楽〜文化を超えるラテンのリズム

*「ラテン音楽」という分類は、広くも狭くもできますが、この本はあまり堅いことはいわずに、メキシコ以南の土地に生まれた音楽をすべて含んで、正確な情報を気軽に楽しく読んでいただこうと心がけました。「おもしろ雑学」というわりには、なかなかマジメで正統的ですよ(笑)。音楽を感じるための基本的な情報をお伝えしようと思って書きました。有名無名のアーティスト=クリエイターたちが主人公です。


TangoMeikyoku心を熱くする タンゴの名曲20選

●発行:樂書舘 (2006年2月発行)
●定価:1800円+税

★曲目: エル・チョクロ  オレ・グァッパ  真珠採りのタンゴ  たそがれのオルガニート  黒い瞳  ラ・クンパルシータ  碧空  チケー  カプリ島  レクエルド(想い出)  モンテカルロの一夜  バンドネオンの嘆き  奥様お手をどうぞ  カミニート  小雨降る径  スール(南)  ヴィオレッタに捧げし歌  リベルタンゴ  ヘルナンドス・ハイダウェイ  ジェラシー

*20曲(アルゼンチン9曲、ヨーロッパ11曲)のタンゴのCD付きです。その曲目解説が本になったようなものといえます。裏話をしますと――このように出版社がレコード会社から音源を借りてCD付きにする場合、それぞれの利益計算とか権利問題がからんで交渉はなかなかヤッカイなんです。レコード会社とアーティストの契約条件もいろいろありますしね。思いどおりの曲目、望みどおりのアーティストで組むことは、まず不可能です。この本(とCD)は、制約のなかで最良の内容をもたせることができたと思います。
 名曲であっても、それについて書くネタがあまりないのもあります。そんなときは、選ばれた曲の周辺や土台にあるもろもろのことを記しました。そのことが、かえって、タンゴ全体の姿を伝えるのには良かったんじゃないかな、とわたしは開き直っています。